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物語の舞台について

数多くあるジブリ映画の中の一つ「崖の上のポニョ」の物語の舞台は「広島県福山市鞆の浦」であるといわれています。アニメ制作者は、作画イメージに制約が生じることから物語の舞台でどこであるのか明確にするのを好まないことがあります。ただし、映画の中で描かれた風景一つ一つから、また宮崎監督が社員旅行でかつて訪れた鞆の浦を大変気に入って、その後も別の仕事の構想を練るために長期間鞆の浦に滞在したことなどから、崖の上のポニョが鞆の浦をモチーフとして描かれたことは間違いないといえるでしょう。鞆の浦は、古くから瀬戸内海海運の要衝の港町として栄え、今も江戸時代からの街並みを多く残した風光明媚な土地です。かつて鞆の浦を訪れた朝鮮通信使は「日本の中で最も美しい景色」と賛辞を送ったとのことです。実は以前より、鞆の浦を埋め立てて橋を架ける計画がありました。橋ができれば鞆の浦の風景は大きく変わってしまうことになります。日々の暮らしを鞆の浦で営んでいる住民の方からすれば、橋ができることで道路の幅が広くなり街の行き来も便利になると考えるのはもっともなことです。他方で、鞆の浦の古き良き風景を壊されたくないとして反対する方もいます。地元に住んでいない人間がこうした議論に関与すべきではありませんが、美しい映像で丁寧に描かれた街並みを見ていると、昔から続く鞆の浦の美しい風景を後世にできる限り伝えたいという宮崎監督の思いと、地域に対する深い愛情が伝わってくるようです。

Copyright(c) 2016 『崖の上のポニョ』 ~さかなの子・ポニョと5歳の少年・宗介の物語~ All Rights Reserved.